執筆者:元井章智(サプリメントアドバイザー NR=栄養情報担当者)
補完代替療法の分野で人気のアガリクスですが、以前、中国産の粗悪なアガリクスを用いた製品を摂取したことで、肝機能障害が引き起こされたという事例が報告されました。健康障害といった不安材料のない、安心できる品質のよいアガリクスは、どのように選べばよいのでしょうか。アガリクス選びに関しておさえておきたい情報をご紹介しましょう。
以前、アガリクスを使用した結果、劇症肝炎を発症し肝機能障害を起こしたという報告がなされました。すでにアガリクスが知れ渡っていた時でしたので、この情報がさらに拡大した結果、「全てのアガリクスには肝機能障害の危険性がある」という風評被害が起こるまで騒動が発展してしました。
実は、「劇症肝炎」や「肝機能障害」といった報告のもとになったアガリクス製品は、中国産の粗悪なアガリクスを使用したもの。それが拡大解釈され、すべてのアガリクスが肝機能障害を引き起こすかのように情報が広まってしまったのです。
もちろん、品質のよいアガリクスには「劇症肝炎」や「肝機能障害」を引き起こすような有害物質は含まれていませんので、今ではこの報告が一部の粗悪品に限定されたものだったという正確な情報が浸透していきます。
そして現在、アガリクスは一般的な病院で受ける保険診療をサポートする補完代替医療の分野で再び多くの注目を浴びています。
そもそも、このように注目を集めているアガリクスとは、どのようなものなのでしょうか。アガリクスは、ブラジルのサンパウロ郊外にあるピエダーテ地方に自生していたキノコです。現地では、その希少性の高さから「神のキノコ」「幻のキノコ」として珍重されていました。
(アガリクスが自生していたブラジル サンパウロ郊外のピエダーテ地方)
アガリクスは、真菌類に分類されることから、菌株によってその性質に違いが出てきます。アガリクスの菌株の中で研究が最も多くなされているのが、キング・アガリクス21(KA21株)です。これは、難しいとされている露地栽培も可能な強い菌株です。
キング・アガリクス21を含めアガリクスは、土壌の栄養分を吸収して育ちます。つまり、土壌がよければ品質の高いアガリクスが栽培でき、また土壌が汚染されていれば粗悪なアガリクスが栽培されてしまうのです。
騒動になった「肝機能障害を引き起こしたアガリクス」は、まさにこの例でしょう。中国の大気、河川、土壌の汚染といった環境問題がよくニュースでも取り上げられます。肝機能障害を引き起こしたアガリクスは、汚染された土壌で栽培されたものでした。
一方、栄養価が豊富な汚染されていない土壌で栽培されたアガリクスは希少価値の高い、あの「神のキノコ」になりうるのです。
アガリクスの栽培方法についても注意したいものです。アガリクスには3つの栽培方法があります。ひとつはタンク栽培です。人工的にタンクを利用して菌糸体を培養するのですが、菌糸体に食経験がなく安全性が懸念されるとして現在ではあまり栽培されていません。
(アガリクスの菌糸体の顕微鏡写真)
(菌糸体を人工的にタンクで培養するアガリクスのタンク培養)
タンク栽培の他には、ハウス栽培があります。ハウス栽培とは、湿気のある暗室で人工的に栽培するものです。太陽の光を遮断して栽培するので、サイズは小ぶりなものとなってしまいます。
(日光を遮った暗所で人工的に行われるハウス栽培)
(ハウス栽培された小ぶりなアガリクス)
傘の大きな栄養価の高いアガリクスを育てるには、タンク栽培でもハウス栽培でもなく、露地栽培がベストといえるでしょう。露地栽培は、栽培が非常に難しくブラジルの中でも限られたエリアでのみ栽培が行われています。
(露地栽培の農場)
(露地栽培されたアガリクス)
土壌にもよりますが、傘はハウス栽培の5倍程度まで大きく育つほか、ハウス栽培と比べて有用成分のβ-グルカンも多く含まれています。世界的に注目されている栄養素であるビタミンDも約34倍と大きな差があります。
(左:ハウス栽培アガリクス 右:露地栽培アガリクス)
露地栽培のアガリクスには、カルシウム、銅、ビタミンB1、セレンといった栄養素も多く含有しています。このように、露地栽培に勝るものはありません。
灼熱の太陽が降り注ぐブラジルは、地球上でも非常に貴重となった大自然が今でも多く残っています。アマゾン川流域には、未知なる大地もあり、まさに自然の宝庫と言えるでしょう。
(手つかずの大自然が残るアガリクスの原産地ブラジル)
このブラジルの地で露地栽培されたアガリクスは、肥沃な大地の栄養を吸収し大きく育ちます。化学物質による土壌汚染といった心配もない土地なので、安全性の高いアガリクスが栽培できるのです。
中国と原産国ブラジル以外に、日本でもアガリクスは栽培されています。日本産のアガリクスは土壌の安全面では安心なのですが、狭い土地で連作を続けることによる土壌自体の栄養価低下が危惧されています。
さらに信頼できる製品を選ぶには、専業メーカー製造のアガリクス製品がお勧めです。アガリクスの人気から、一般的な健康食品メーカーもアガリクス製品を製造するようになっています。
しかし、アガリクスのすべてを知り尽くしているのは、やはりアガリクス専業メーカーです。アガリクスの有用成分であるβ-グルカンは分子量が大きければ大きいほど有用性を発揮するといった研究結果を製品化できるのは、アガリクス専業メーカーだからこそです。
弊社は、アガリクス専業メーカーです。国際論文の発表実績も多くあり、アガリクスについてさまざまな角度から研究し、製品開発に生かしています。
(アガリクスメーカー最多となる28本の国際論文を発表)
また、弊社はブラジルに露地栽培の農場も持っており、栄養価の高いブラジル産露地栽培のアガリクスをふんだんに使った製品が製造できます。アガリクスは製品によって特徴が大きく異なるため、産地、栽培方法、研究実績で購入する製品を選ばなければ、アガリクスの有用性をなかなか実感できません。
(ブラジルで露地栽培されたアガリクス)
弊社は、品質のよいアガリクスを製品化するための、ブラジル産、露地栽培、研究実績という3つの条件すべてを満たしています。ぜひ、安心して弊社の製品を購入してみてください。アガリクスを知りつくした弊社にしか提供することのできない、アガリクスの有用性を実感していただけると確信しています。
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー
参考文献
1) S.P.Wasser et al.,Int J Med Mushrooms,4,267-290(2002)
2) RW.Kerrigan et al.,Mycologia,97,12-24(2005)
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