執筆者:元井章智(サプリメントアドバイザー NR=栄養情報担当者)
以前、アガリクスに関して、「肝炎を発症した」「肝機能障害が起きた」といった報告がされた時期がありました。しかし、よく情報を見てみると、すべてのアガリクスに肝炎や肝機能障害があるわけではなかったのです。ここでは、アガリクスの正しい知識を確認してみましょう。
「劇症肝炎、肝機能障害の発生」。アガリクスに関して、安全性をゆるがすような報告がなされたことがあります。その報告がもとで、風評被害が広がり、アガリクスに対する信頼性が大きく揺らいだことがありました。
現在では、アガリクスに関して正確な情報が広まったこともあり、一般的な病院やクリニックの保険診療をサポートする補完代替療法の分野で再び注目を浴びています。
「劇症肝炎」といった報告がなされたのは、どのような背景があったのでしょうか。実は、肝炎を発症したという報告で用いられていたのは、中国産の粗悪なアガリクスでした。
中国では、PM2.5といった大気汚染、土壌汚染、河川汚染など、深刻な環境汚染が問題になっています。そんな中国で栽培されたアガリクスには有害物質が含まれてしまい、その結果、肝炎を発症したのだと考えられます。
では、すべてのアガリクスに肝炎の発症の可能性があるといってしまってよいのでしょうか。それは違います。前述のとおり、アガリクスは補完代替療法の分野で広く利用されていました。厚生労働省の助成金を活用した調査でアガリクスの使用頻度は、人気の高いプロポリスやAHCC、漢方薬などを大きく引き離していました。
このように、質の高いアガリクスを原料とした製品を選べば、有用性を実感できるアガリクスに巡り合えるのです。
アガリクスの代表的な産地は、原産国であるブラジル、日本、中国です。アガリクスは、土壌の栄養分を吸収して育ちます。よって、栄養豊富で安全性の高い土壌で栽培されたアガリクスは、質の高いアガリクスとなり、反対に土壌が汚染されていると有害物質を含むアガリクスとなってしまいます。
中国産のアガリクスについては肝炎の報告があったように、安全性には疑問が残ります。では、日本産のアガリクスはどうでしょうか。日本で栽培された作物や製品は、土壌の安全性といった面では特段の心配はないでしょう。
しかし、日本は土地の安全性が高くても、狭い土地で栽培を繰り返すため、次第に土地が痩せてきてしまいます。痩せた土地で栽培された作物の栄養価は年々低下する傾向があります。つまり日本でアガリクスの栽培を重ねることで、年々栄養価が低下することが危惧されます。
では、原産国ブラジルではどうでしょうか。原産国ブラジルは、アマゾン川やその流域に広がる肥沃な大地が象徴するように、大自然が広がっています。適度な降雨と、さんさんと降り注ぐ太陽の光によって、あらゆる生き物が伸び伸びと枝葉を伸ばしています。アガリクスは、そんなブラジルの大地の恵みを存分に吸収し、たっぷりと栄養を蓄えて育っています。
(手つかずの大自然が残るアガリクスの原産地ブラジル)
アガリクスには日本や中国といった産地もありますが、安全性や栄養価といった部分で原産国ブラジル産のアガリクスを選ぶことが重要です。
安全で質の高いアガリクスをお考えでしたら、ブラジル産のアガリクスを選ぶことが重要です。さらに、栽培方法に関しても正しい知識を持っていると、より安全で栄養価の高いアガリクスを選ぶことができます。
アガリクスの主な栽培方法は、ハウス栽培と露地栽培です。ハウス栽培は、アガリクスの栽培する気候条件が整わない日本や中国で行われています。ハウス栽培と言えばトマトやナス、イチゴなどの栽培風景を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、アガリクスの場合は、太陽の当たらない暗い部屋で栽培されています。
(日光を遮った暗所で行われるアガリクスのハウス栽培)
(人工的な環境で栽培されたハウス栽培アガリクス)
一方、原産国ブラジルでは、特殊な堆肥、菌株などを条件がそろうことで露地栽培が可能です。太陽の光を浴びるだけでなく、風雨にさらされて露地栽培アガリクスはたくましく生育します。
(ブラジルの露地栽培アガリクス農場)
(自然環境の中、露地栽培されたアガリクス)
露地栽培されたアガリクスは、ハウス栽培のアガリクスと比較して、見た目のサイズは大きく異なり、主要成分であるβ-グルカンや世界的に注目を集めているビタミンDの含有量ともにハウス栽培物より多く含有されているといった研究結果もあります。
(サイズの比較 左:ハウス栽培アガリクス 右:露地栽培アガリクス)
また、産地の土壌のカルシウムも約26倍、銅も約10倍といった研究結果もあり、露地地栽培のアガリクスの栄養価の高さが際立っています。
栄養価のある質の高いアガリクスを選ぶなら、ブラジルで露地栽培されたアガリクスを選ぶことが大切です。
最後にもうひとつ注意したいこと、それは、アガリクス専業メーカーの製品を選ぶということです。一般的な健康食品メーカーもアガリクスの製品を製造しています。しかし、アガリクスに特化しているわけではないので、アガリクスの有用性を最大限製品に反映させることができない場合があります。
アガリクスの主要成分β-グルカンは分子量が大きいほどその有用性を発揮することがわかっていますが、わざわざ低分子化したり細分化したりするメーカーがあります。せっかく質の高い原材料を用いても、間違った方法で製品化してしまえば有用性が低下してしまいます。
弊社はアガリクス専業メーカーです。ブラジルに露地栽培の農場を持っているのも弊社以外にはほとんどありません。研究開発にもつながる国際論文の発表も多数あり、アガリクスに関して真摯に研究に取り組んでいます。
アガリクスは、補完代替療法の分野でも支持を集めているサプリメント・健康食品です。しかし、粗悪な中国産のアガリクスで肝炎の報告があったように、製品によって特徴が大きく異なるのも事実。産地や栽培方法に注意をしながら製品を選ぶようにする必要があります。
ブラジルで露地栽培されたアガリクスを用いて、豊富な研究結果をもとに製品開発を行っている弊社のアガリクス製品を、ぜひお試しください。そして、その有用性を実感していただきたいと思います。
(ブラジルで露地栽培されたアガリクス)
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー
参考文献
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