執筆者:元井章智(サプリメントアドバイザー NR=栄養情報担当者)
以前、中国産のアガリクスで製造された製品で、肝機能障害を引き起こしたという事例が報告されました。有用性が実感できると広まっているアガリクスには、副作用があるのでしょうか。アガリクスと副作用について、有用なアガリクスの選び方について考えていきましょう。
中国産の粗悪なアガリクス製品で、肝機能障害が発生したというショッキングな報告が発表されたことがあります。その報告によって、アガリクスには副作用があるといった誤解が瞬く間に広まったことがあります。
もともとアガリクスは一般診療をおこなう病院やクリニックなどでの補完代替療法で最も多くの方に支持されているサプリメント・健康食品となっていました。厚生労働省の助成金を活用した使用頻度の高い健康食品・サプリメントの調査でも、人気のプロポリスやAHCC、漢方薬を抜いて、第1位となっているほどです。
では、どうして肝機能障害が発生してしまうようなアガリクス製品が製造されてしまったのでしょうか。また、肝機能障害などの副作用の発生しない質の高いアガリクス製品を選ぶには、何を基準にすればよいのでしょうか。
肝機能障害が発生したという報告がなされた研究で用いられていたのは、中国産アガリクスでした。アガリクスにはいくつかの産地があります。
まず、原産国であるブラジルです。ブラジルは、アマゾン川など未開で肥沃な大地が広がる大自然の宝庫です。アガリクスはこのブラジルの中でも、サンパウロ郊外にあるピエダーテ地方に自生していたキノコです。希少性が高く、「神のキノコ」「幻のキノコ」などと呼ばれているぐらい現地でも希少価値の高いキノコとされていました。
大自然の恵みをたっぷりと受けて育ったブラジル産アガリクスは、栄養価も高く栽培されています。
(手つかずの大自然か残るアガリクスの原産地ブラジル)
この原産国ブラジル以外でも、アガリクスは栽培されています。たとえば、日本や中国です。日本産のアガリクスは、その安全性の高さから非常に人気があります。しかし、残念なことに狭い土地で連作を続けた結果、土地の安全性は高いものの痩せた土地から十分な栄養を受けることができず、近年、農作物の栄養価そのものが減少傾向にあると報告されています。
また、中国産のアガリクスについては実際に肝機能障害の報告があったように、土壌、大気、水などの汚染が原因でアガリクス自体にも有害物質が紛れ込んでしまう可能性が否定できません。中国産のアガリクス製品は安価で手に入るので、気軽に始める人も多いようですが、アガリクスの安全性の観点から考えると、お勧めできません。
このような点から考えてみると、安全性が高く有用性も感じられるのは、原産国ブラジルで露地栽培されたアガリクスしかないということがご理解いただけるかと思います。
アガリクスは日本産や中国産より、原産国ブラジルで栽培されたものを選ぶことがポイントであることは前述した通りです。しかし、それだけでは、安全で栄養価の高いアガリクス製品を手に入れることはできません。
栄養価の高いアガリクス製品を選ぶのであれば、栽培方法についても正しい知識が必要です。
適度な降雨と日照が確保できる原産国ブラジルでは、天然に最も近いとされる露地栽培が可能です。露地栽培アガリクスは太陽の光を存分に浴びて、傘の大きなアガリクスが伸び伸びと栽培されています。
(露地栽培アガリクス農場)
(太陽の光を浴びて育った露地栽培アガリクス)
一方、日本や中国ではハウス栽培でアガリクスが育てられます。ハウス栽培といっても、明るい温室ではなく日光を遮断した暗室で行われています。当然、人工的に栽培されたアガリクスは露地栽培されたアガリクスに比べると、その大きさは5分の1程度と小さいものになってしまいます。
(日光を遮って行われるアガリクスのハウス栽培)
(人工的な環境で栽培されたハウス栽培アガリクス)
(サイズの比較 左:ハウス栽培アガリクス 右:露地栽培アガリクス)
有効成分であるβ-グルカンも露地栽培のアガリクスとハウス栽培のアガリクスを比べると、乾燥品100g中、露地栽培12.4g、ハウス栽培8.2gと、露地栽培のアガリクスの方が含有量が多くなっているのが分かります。
また、世界的に注目されている栄養素であるビタミンDについても、栽培された土地にもよりますが、乾燥品100g中で調べた場合、露地栽培では69.5μg、ハウス栽培では2.9μgと、圧倒的な含有量の差があることが分かっています。
アガリクスの有用性を実感したいのであれば、露地栽培されたブラジル産のアガリクスを使っている製品を選ぶことがポイントであるということが、よりご理解いただけたのではないでしょうか。
研究開発を行うメーカー選びも、アガリクス選びの重要なポイントです。
一般的な健康食品メーカーでは、数ある健康食品やサプリメントの中のひとつとしてアガリクスが扱われています。当然、研究開発に費やす費用や時間は限られてくるでしょう。
一方、アガリクス専業メーカーはどうでしょう。専業メーカーはアガリクス一筋ですので、研究開発への情熱はもちろんのこと、アガリクスに関する基礎データやノウハウの蓄積や実用化に特化しています。
弊社、東栄新薬株式会社はアガリクス専業メーカーです。日々、アガリクスに関する研究開発に邁進しており、これまでに発表した国際論文数は28本とアガリクスメーカーの中でも最多の数を誇っています。当然、信頼できるデータも豊富に持っております。
ブラジルで露地栽培を行っているのは弊社以外にはほとんどないなど、アガリクスの栽培から製品化まで、誠実に取り組んでいます。
(ブラジルで露地栽培したアガリクス)
店頭に並ぶアガリクス製品は、様々な種類があります。しかし、本当に有用性を実感できる製品は多くありません。ブラジルにおいて露地栽培で育てられたアガリクスをさまざまな研究データを基にして有用性を実感できるように製品化できるのは、弊社だけです。
毎日の健康のためにアガリクスをお考えでしたら、一度、弊社の製品をぜひ手に取ってください。
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー
参考文献
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2) RW.Kerrigan et al.,Mycologia,97,12-24(2005)
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12) M. Motoi et al.,Int J Med Mushrooms,17,799-817(2015)
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