執筆者:元井章智
子どもから大人まで手軽に摂取できるアガリクスは、健康食品・サプリメントの分野で、常に上位の人気を博しています。
しかし過去に、アガリクスのエキス製品で効果がなかったとする論文が発表されました。戸惑った愛用者も多くいたかと思いますが、アガリクスは製品ごとに特性が違うため、すべてのアガリクス製品において同じ見解ではないということを知っていただきたいと思います。
アガリクス製品は、産地、栽培方法によって、栄養成分の含有量が大きく異なる上、安全性や有用性など研究開発力のあるメーカーであることも、品質の善し悪しに影響が出てきます。
このコラムでは、高品質のアガリクス製品を選んでいただくための重要なポイントを解説していきます。購入の際はぜひ参考にしてみてください。
2010年に京都大学が「エキスタイプのアガリクスに、前立腺がんに対する抗がん作用が認められなかった」という論文を発表しました。健康維持のためにアガリクスを毎日摂取している方々には大変ショックな出来事でした。
京都大学が行った試験方法は、アガリクスから抽出したエキスが入った製品と、霊芝を原料とした製品を6カ月間摂取し、前立腺がんの腫瘍マーカーPSAの値を測定するというものです。
試験では、アガリクスから抽出したエキスが入った製品を摂取した場合、PSAの測定値に変化が見られませんでした。その結果、「効果なし」という結論になったのです。
しかし、すべてのアガリクス製品をこの試験結果と同じ結論に結びつけるのは、早合点かもしれません。
なぜならば、アガリクス製品は、製法や原料となるアガリクスの品質によって、製品の特性も栄養素の含有量もまるで別物のように違ってくることが分かっているからです。
厚生労働省では「アガリクスは原材料や製品でかなり品質に違いがある」という見解を示し注意喚起をしています。また国立健康栄養研究所は「アガリクスは菌株や栽培方法や産地により、その特性や含有成分が異なる」と公表しています。
アガリクスはタンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラル、タンパク質のもととなるアミノ酸などを豊富に含む食品です。
中でもその主成分となるのがβ-グルカンと、世界的にも注目されている栄養素ビタミンDです。
β-グルカンはキノコ類やパン酵母などに含まれる分子量が大きい多糖類の一種です。アガリクスにはβ-グルカンの中でもβ(1-3)グルカンと、β(1-6)グルカンが多く含まれています。
β-グルカンはアガリクスの細胞壁に多く含まれており、エキス化などで抽出するのは難しい成分といわれており、東京薬科大学薬学部免疫学教室が実験を行っています。
乾燥アガリクスからβ-グルカンを熱水抽出すると34.5%ほどしか抽出できませんでした。その後、薬品に使用して化学処理を行っても約半分のβ-グルカンしか抽出できませんでした。
すなわち、アガリクスをエキス化してしまうと、β-グルカンの成分量が減ってしまうということです。
アガリクスのエキスを抽出した製品を使用した2010年の京都大学による試験結果が、すべてのアガリクス製品に当てはまるとは言えないのです。
弊社の製品「キングアガリクス」のように、アガリクスそのものを原料とした製品とを比較した場合、品質には大きな差が生じます。
数あるアガリクス製品の中から、その違いを見極めるためには、産地、栽培方法をきちんと知っておくことが大切です。
アガリクスはもともと、ブラジルのピエダーテ地方が原産と言われており、地元では「幻のキノコ」「神のキノコ」「太陽のキノコ」などと呼ばれてきました。アガリクスの有用性が注目されるようになり、ブラジルから日本に渡ったのは1965年ごろです。
自然豊かなブラジルのような肥えた土壌のない日本では露地栽培は行うことができず、人工的にハウス栽培が行われました。それ以後、さまざまな研究が行われアガリクスが人に与える多くの有用性が確認されると、健康食品・サプリメントとして広く一般に知れ渡ることになりました。
現在、国内で流通するアガリクス製品は、日本産、ブラジル産、中国産などが主なものとなっていますが、そのほとんどがハウス栽培によるアガリクスを原料としているのはご存知でしょうか。
ハウス内は、光を一切遮断したジメジメとした環境となっており、その中で栽培が行われます。露地栽培ほど手間も掛からず、また天候に左右されることもないので、収穫量は一定で、市場には安価で大量に出回っています。
(日光を遮った人工的な環境で行われるハウス栽培)
(ハウス栽培されたアガリクス)
一方、市場で希少価値が高いとされるのが、ブラジルで露地栽培されたアガリクスです。天然に最も近いアガリクスといわれており、流通数も限られています。
そして、現在ブラジルで露地栽培しているのは、弊社のブラジル農場以外にはほとんどありません。大自然の下での栽培は大変困難ではありますが、ブラジルの大地の恵みをたくさん吸収したアガリクスは、大きく太く立派に生育します。
(露地栽培の農場)
(露地栽培されたアガリクス)
ハウス栽培ものと比較すると、見た目は5倍も大きく重量もあります。ブラジル産露地栽培アガリクスを原料にした弊社の「キングアガリクス」と、日本産ハウス栽培アガリクスの栄養素を比較すると、主成分であるβ-グルカンは1.5倍、世界的に注目を浴びるビタミンDを豊富に含み、その他、カルシウムや鉄分、銅などの栄養成分にも大きな違いがあることが分かっています。
(左:ハウス栽培アガリクス 右:露地栽培キングアガリクス)
ハウス栽培のアガリクスを原料に製造する健康食品メーカーや企業が増え続けていますが、弊社のようにアガリクス専門のメーカーは数少ないのが実情です。
専門メーカーの強みは、アガリクスだけに注力して研究開発を行っていることです。弊社のアガリクスは、健康な人が通常の3〜6倍量(9g)を6カ月間摂取したところ、肝機能や腎機能への影響がなく副作用(有害事象)もないという安全性が確認されています。
こうした実績は、確かな製品である裏付けとなり、メーカーそして製品の信頼性にもつながります。弊社はこれまでの海外論文の発表数が28本と、アガリクス専門メーカーでは最多です。
しかし、研究開発の指標となる論文発表が1本もなされてない専門メーカーがあるのも事実です。アガリクスが本来持つパワーを体感する製品を選ぶためには、有用性や安全性など品質を裏付けする研究データを豊富に持っている専門メーカーであるかを確認することがとても大切です。
アガリクスは、どれもみな同じ品質ではないことがご理解いただけたかと思います。
アガリクス製品を選ぶ時には、原材料はエキス化や低分子化をせずに、弊社の「キングアガリクス」のように乾燥したアガリクス100%の状態で製品化したものが良いでしょう。そして産地はブラジル、栽培方法は露地栽培をお選びください。
投稿者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー
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