厚生労働省も注意喚起する、アガリクス製品の品質の差とは
執筆者:元井章智
慶應義塾大学SFC研究所所員
東京薬科大学免疫学教室
日々の健康生活には欠かせないアガリクス。元気な体づくりのために、アガリクスは子どもからお年寄りまで多くの方が愛用しています。さらには補完代替医療の分野で最も支持を受けているサプリメント・健康食品でもあります。
今や全国のドラッグストアや、インターネットショップでも手軽に購入できるアガリクス製品ですが、日本国内外のさまざまな企業やメーカーが製造・販売しており、製品ごとに大きく特徴が異なるということをご存知でしょうか。
過去には、中国産の粗悪なアガリクス製品を摂取したことによって、肝機能障害を発症してしまった方がいるという事実も報告されています。また、厚生労働省や国立健康・栄養研究所は、アガリクス製品は「原材料や製品でかなり品質に差異がある 」として注意喚起しています。
品質の良いアガリクスを選ぶためにも、正確な情報を得ることはとても大切なことです。ここでは、高品質なアガリクス製品について解説していきましょう。
補完代替医療の分野で最も支持を受けているサプリメント・健康食品
アガリクスの原産地は、ブラジルのピエダーテ地方です。ブラジル国内でもアガリクスが自生していたのはこの地だけといわれており、現地の人々は昔から「幻のキノコ」「神のキノコ」「太陽のキノコ」などと呼び大切にしてきたそうです。
アガリクスの有用性が発見されたのは、1960年代ごろです。このピエダーテ地方は「長寿の地」「健康の地」として昔から広く知られており、それに着目したアメリカの研究チームが現地に入って調査、研究していたこところアガリクスを見つけたといわれています。
遠いブラジルから、日本へアガリクスが渡ったのは1965年ごろとされています。世界最大の熱帯雨林アマゾンがあるブラジルのような非常に肥えた土壌や、強い日差し、澄んだ空気や水といった自然に恵まれた環境が整っていない日本では、人工的なハウス栽培が行われるようになりました。
世界各国でもアガリクスが健康食品として注目されはじめると、海外の学者たちによるアガリクスが人に与える影響についての研究が行われました。
さまざまな有用性が確認され、多くの人の関心がアガリクスに集まる中、1990年代に入ると日本国内では病院の保険診療で行われる治療を補う補完代替療法として着目され、健康食品、サプリメントとして一般の人たちにも親しまれてきました。
過去に厚生労働省のがん研究助成金を活用して行われた調査では、補完代替療法に利用されている健康食品・サプリメントとしては、アガリクスが最も多くの支持を受けていたといった結果となっています。
(アガリクスはプロポリス、AHCC(シイタケ菌糸体)、漢方薬よりも利用されています。)
また、海外でもアガリクスは「5つのメジャーなキノコ(=Five Major Mushroom)」の一つとして広く補完代替医療の分野で利用されています。
(その他の4つは、霊芝、冬虫夏草、カワラタケ、マイタケです。最近、名前を聞くようになったフコイダンやブロッコリー抽出成分などは、データが非常に少なく安全性・有効性が確立されていないため、海外などではほとんど利用されていません。)
引用論文:Intergr Med (Encinitas)2014 Feb; 13(1): 32–44.
栽培方法や産地によって特徴が異なるアガリクス
アガリクスは日本をはじめ、世界各国で愛用されている健康食品です。製造、販売するメーカーも国内外に点在し、さまざまなアガリクス製品が流通しています。
過去に、中国産アガリクス製品を摂取した人たちが肝機能障害を発症した事例がありましたが、同じアガリクス製品とはいえ、特徴が大きく異なるということを厚生労働省が発表しました。
アガリクスは、産地や栽培方法、菌株などによって、品質や含有成分がまったく異なる 繊細なキノコです。
アガリクスの栽培方法の違いについて
現在、日本国内に流通している主なアガリクス製品は、日本産、ブラジル産、中国産、韓国産などが主流となっていますが、そのほとんどがハウス栽培で生育されたアガリクスを原料にした製品です。
アガリクスのハウス栽培
それでは、アガリクスのハウス栽培はどのように行われているのでしょうか?
一般的に「ハウス栽培」という名前を聞くと、下のビニールハウスをイメージする方が多いのではないでしょうか。
(一般的なハウス栽培のイメージ)
しかし実は、アガリクスのハウス栽培は、日光の当たらない暗室で行われます。ジメジメとした真っ暗な部屋で人工的に栽培されたアガリクスの大きさは、こぶりなものが多く栄養価も低くなっています。
(日光を遮った暗所で行われるアガリクスのハウス栽培)
(人工的な環境下で栽培されたこぶりなハウス栽培アガリクス)
ブラジルで露地栽培されたキングアガリクス
そのような中、ブラジルの大自然の中で露地栽培をしているのが、弊社の「キングアガリクス」です。
(ブラジルの大自然)
(露地栽培されたキングアガリクス)
【動画】キングアガリクスがどのように露地栽培されているかなど、詳しくはこちらの動画をご覧ください↓
VIDEO
日光を遮った人工的な環境でハウス栽培ものと違い、ブラジルの大地の恵みをたっぷり吸収して過酷な自然環境を生き抜いた露地栽培アガリクスは、傘の大きさも太さもとても立派です。
(左:露地栽培キングアガリクス 右:ハウス栽培アガリクス)
また有用成分に関してもその差は歴然です。「キングアガリクス」と、日本産のハウス栽培アガリクスを比較してみると、主成分のβ-グルカンをはじめ、世界的に注目を浴びる栄養素ビタミンDも豊富に含みます。
【動画】露地栽培したキングアガリクスと一般的なハウス栽培との比較は、こちらの動画をご覧ください↓
VIDEO
産地の土壌の影響を大きく受けるアガリクス
また、アガリクスは地中の栄養素をたっぷりと吸収して育つといった特長があり、産地の土壌の影響を大きく受けます。具体的には、土地が肥えている場所で栽培すると栄養価が高くなり、土地がやせているところで栽培すると栄養価が低いアガリクスになります。そして、土壌汚染などの影響がある土地で栽培すると有害物質含むアガリクスとなってしまいます。
アガリクスの代表的な産地としては、原産地ブラジルの他に中国産、日本産がありますので、以下それぞれご説明いたします。
安価な中国産は安全性が懸念
近年の中国は、急速な経済発展、近代化によって、PM2.5などの大気汚染をはじめ水質汚染、土壌汚染など環境汚染が深刻化しています。
(深刻な大気汚染、土壌汚染が懸念される中国)
確かに安価とはいえ、かつて中国産アガリクス製品によって肝機能障害が起こった事例を考えると、このような悪条件下で生育されたアガリクスを体内に入れるのはいかがでしょうか。
さらには、カビの繁殖を抑えるために、中国から乾燥キノコを輸出する際には大量のホルマリンを用いることがあります。
安全性が高い日本産アガリクス
日本では、土壌の安全性に関する検査やアガリクスそのものの品質管理などは行き届いているため、安全性の高いアガリクスが栽培されています。しかし、ブラジルの気候とは違うので、アガリクスの露地栽培は行えません。
また、同じ農地で繰り返し栽培を行うことから農作物の栄養価が年々下がってきています。
実際に上の図は大根の栄養価を昔と比較していますが、カルシウムやビタミンCの含有が大幅下がっています。
日本産アガリクスは安全面ではまったく問題ありませんが、残念ながら栄養価は低くなっています。
大自然に囲まれた原産地ブラジル
アガリクスの原産地ブラジルには、アマゾンを代表とする手つかずの大自然が残っています。土壌は非常に肥えており、鉄分などを多く含んだ赤土が特徴です。
(手つかずの大自然が残るアガリクスの原産地ブラジル)
(ブラジル特有の赤土には鉄分などミネラルが豊富です。写真は2019年3月に撮影)
また、弊社のブラジル農場は、一度、キングアガリクスを露地栽培した土地は使わずに、常に新しく土地を開墾しています。周辺には工場などは一切なく、土壌汚染の心配もない健康な土地で、完全無農薬によって露地栽培をしています。
(常に新しい農地を開墾して行われるキングアガリクスの露地栽培)
(ブラジルで露地栽培されたキングアガリクス)
(残留農薬試験結果 完全無農薬で栽培されていることを確認)
【動画】ドローンで撮影したブラジルの農場周辺の様子↓
VIDEO
同じ土地で連作を繰り返す日本産のアガリクスと比較すると、カルシウムは26倍、銅が10倍、その他鉄分やセレンなど日本人に不足しがちな栄養素の含有量がより豊富であることが分かりました。
アガリクスメーカーの研究実績の確認も重要
ここまで、アガリクスは栽培方法、産地によって特徴が異なるといった点をご紹介いたしました。しかし、栽培方法、産地以外にも注目していただきたいのが、アガリクスメーカーの研究実績です。
実は、アガリクス製品の中には「効果がない」といった報告がされた製品や、有効成分量が低くなってしまうような加工を行った製品もあるからです。具体的には、アガリクスをエキス化した製品や、主成分のβ-グルカンを低分子化したような製品です。
(アガリクスをエキス化すると主成分のβ-グルカンの量が著しく減ってしまいます。)
*エキス化による主成分減少の引用論文:Biol.pharm.Bull.24(7)820-828(2001)
*エキス化製品に効果がなかったとする論文:Int J Urol. 2010 Jun;17(6):548-54
*β-グルカンの低分子化による作用減弱:Chem. Pharm. Bull 38(2)477-481(1990)
アガリクスをエキス化したり、主成分であるβ-グルカンを低分子化すると、有効成分量が下がってしまったり、効果が無くなってしまうことは20~30年も発表されています。実際に、私たちはこのような研究結果を受けて、エキス化などの加工は行わず、アガリクスそのままを原料として使用しています。
しかし、残念ながらアガリクスメーカーの中には、製品に関する研究開発をほとんど行わないメーカーがあり、現在でも効果がなかったり、主成分が減ってしまっている製品が販売されています。
そのため、アガリクス製品を選ぶ時にはメーカーがしっかりとして研究を行っているかどうかを必ず確認して下さい。
私たち、東栄新薬株式会社はアガリクスの専門メーカーとして20年以上の研究実績があり、これまでに東京薬科大学をはじめ、東京大学、慶應義塾大学といった先進機関との共同実績があります。
東栄新薬株式会社の共同研究実績
東京大学食の安全研究センター
慶應義塾大学SFC研究所
東京薬科大学免疫学教室
麻布大学獣医学部
順天堂大学医学部
近畿大学医学部
名古屋市立大学大学院
国立長寿医療研究センター
(20年以上、キング・アガリクス21=KA21株の共同研究を行っている東京薬科大学免疫学教室。キノコ研究では世界的に権威ある研究室)
研究成果は、国内のみならず国際学会で発表し、研究開発力の指標となる国際論文の発表数はアガリクスメーカーの中で最多となる28本となっています。
国内学会:
日本薬学会では、東京薬科大学と共同で21年間連続で発表(2019~1999)
(2019年日本薬学会での発表の様子
左:東京薬科大学免疫学教室 田島克哉先生
中央:東京薬科大学免疫学教室 大野尚仁教授
右:東栄新薬株式会社会長 元井益郎)
その他の国内学会発表実績:
日本獣医がん学会(2019)、日本動物臨床医学会(2018)、日本獣医学会(2018、2015)、日本生体防御学会(2017)、日本医真菌学会(2016)、日本細菌学会(2013)、日本統合医療学会(2013)、日本食品免疫学会(2013)、日本予防医学会(2013)他多数
国際学会発表実績:
国際薬用キノコ学会(2017,2015,2013)
(2017年国際薬用キノコ学会での発表の様子
東京薬科大学免疫学教室 山中大輔先生)
その他の国際学会での発表実績:
国際免疫学会(2016)、欧州免疫学会(2015)、The 14th International Congress of Immunology(2010)、The 9th International Mycological Congress(2010)、International Conference on Early Disease Detection and Prevention(2010)他多数
(アガリクスメーカー最多となる28本の国際論文発表実績)
購入時のポイントをおさえて、安心安全な製品を
アガリクスは、補完代替医療の分野で最も支持を受けている健康食品です。しかし、その製品によって品質や特徴には大きな差異があります。
産地、栽培方法、信頼できるアガリクスメーカーであるかが、購入する際の大事なポイントになります。高品質のアガリクス製品を選んでいただき、ご健康にお役立て下さい。
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー、
国際中医専門員
PS.
私たちのキングアガリクスに人工添加物を一切加えず、キングアガリクス100%で製品化した製品が【キングアガリクス100】です。
現在、人間用、ペット用の2製品があり、それぞれ以下のサイトでご購入頂けます。
【キングアガリクス100(人間用)】
現在、10,800円相当の12袋セットを毎月先着順(初回限定)で3,000円で販売してます
キングアガリクス100(人間用)12袋セットのご購入はこちらをクリック
【キングアガリクス100ペット用】
キングアガリクス100ペット用のご購入はこちらをクリック
本サイト掲載情報の元となったアガリクス・キングアガリクスに関する研究施設
●東栄新薬株式会社
アガリクスの専門メーカーとして、ブラジルで露地栽培したキングアガリクスの研究開発を行っています。キングアガリクスの研究開発を20年以上行っており、アガリクスメーカー最多となる28本の国際論文を発表しています。
日本獣医皮膚科学会賛助会員、比較統合医療学会賛助会員、日本獣医がん学会、公益財団法人 日本愛護協会会員
主な学会発表実績:日本薬学会(1996~2018)、国際薬用キノコ学会(2003、2013、2015、2017)、欧州免疫学会(2015)、国際免疫学会(2016)、日本生体防御学会(2017)、日本獣医学会(2017)、国際微生物学連合(2017)、日本動物臨床医学会(2018)、日本獣医がん学会(2019)
●東京薬科大学免疫学教室
キノコ研究では世界的に権威ある研究室
アガリクス・キングアガリクスに関する研究を20年以上行い、これまでに24本の国際論文を発表
安全性試験の他、アガリクスの主成分であるβ-グルカンに対する研究を実施
本サイト掲載情報執筆の際に引用した主な論文
N.Ohno et al.,Biol Pharm Bull,24,820-828(2001)
●東京大学食の安全研究センター
キングアガリクスが自律神経にどのような影響を与えるかを研究
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Tubone H, at el. Journal of Medicinal Food 17 (3) 295-301 (2014)
●慶應義塾大学SFC研究所
キングアガリクスが生体にどのような影響を与えるかを研究
●順天堂大学医学部
キングアガリクスの安全性などに対するヒト臨床試験を実施
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Y.Liu et al.,Evid Based Complement Alternat Med,5,205-219(2008)
●近畿大学医学部
キングアガリクスが代謝・内分泌にどのような影響を与えるかを研究
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Atusoko, N. et al. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition(Advance Publication 2011)
●麻布大学獣医学部
キングアガリクスがウィルスにどのような影響を与えるかを研究
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Nao, E. et al. Biocontrol Science, 2017, Vol.22, No.3, 171-174
●国立長寿医療研究センター
キングアガリクスの寿命に与える影響を研究
「国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 」
「がんの補完代替医療ガイドブック 」
編集:厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班
監修:日本補完代替医療学会
本サイトに引用した主な論文
ホームページ内のアガリクスに関する情報は、自社発表論文(番号を赤字で記載)を含め以下の公開論文の内容を元に執筆しています。
1) S.P.Wasser et al.,Int J Med Mushrooms,4,267-290(2002)
2) RW.Kerrigan et al.,Mycologia,97,12-24(2005)
3) K.Wisitrassameewong et al.,Saudi J Biol Sci,19,131-146(2012)
4) Y.Liu et al.,Evid Based Complement Alternat Med,5,205-219(2008)
5) N.Ohno et al.,Pharm Pharmacol Lett,11,87-90(2001)
6) S.Hashimoto et al.,Int J Med Mushrooms,8,329-341(2006)
7) N.Ohno et al.,Biol Pharm Bull,24,820-828(2001)
8) D.Yamanaka et al.,BMC Complement Altern Med,14,454(2014)
9) D.Yamanaka et al.,Immunopharmacol Immunotoxicol,34,561-570(2012)
10) D.Yamanaka et al.,Int Immunopharmacol,14,311-319(2012)
11) N.Ohno et al.,Carbohydr Res,316,161-172(1999)
12) M. Motoi et al.,Int J Med Mushrooms,17,799-817(2015)
13) I. Hyodo et al., J Clin Oncol 2005; 23: 2645-54.
14) 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
15)Y.Adachi et al., Chem. Pharm. Bull 38(2)477-481(1990)
16) K. Yoshimura et al., Int J Urol. 2010 Jun;17(6):548-54
17) 山中大輔, 元井章智他: βグルカンの基礎研究と応用・利用の動向,10,216-226,シーエムシー出版,東京(2018)
18)G.Alena at el., Intergr Med (Encinitas)2014 Feb; 13(1): 32–44.