執筆者:元井章智
健康食品・サプリメントの分野で、近年注目されているアガリクス。子どもからお年寄りまで、そしてペットまでが、手軽に摂取できる健康食品・サプリメントとして人気が高まっています。
アガリクスは、病院などで行われる保険診療をサポートする補完代替医療の分野でも利用されるなど、注目度が高まっている健康食品・サプリメントです。
しかし注目が高まると共に、専門メーカー以外の企業やメーカーが参入しはじめ、同じアガリクス製品とはいえ、原材料や栽培方法、製造方法によって品質に大きな差が生じているのが実情です。
安価なものから高価なものまで、さまざまなものが店頭に並んだり、インターネットには多くのアガリクス情報が掲載されたりしていますが、ここでは本当に良いアガリクスを選ぶための解説をしていきたいと思います。
健康食品・サプリメント製品としてアガリクスという名称が広く知られていますが、日本名では「カワリハラタケ」「ヒメマツタケ」と呼ばれています。
アガリクスは、ブラジルのピエダーテ地方が原産です。ブラジル国内でもこの地にしか自生しない貴重なキノコとされており、地元では「幻のキノコ」「神のキノコ」「太陽のキノコ」などと呼ばれ大切にされてきました。
そして、アメリカの研究チームが現地へ足を運び調査したところ、アガリクスの有用性が発見され世界的に注目を浴びるようになりました。
そのブラジルから日本国内に入ってきたのは1965(昭和40)年ごろとされています。ブラジルのような肥えた土壌や気候に恵まれない日本では、人工的なハウス栽培が定着。
以後、さまざまな研究が行われアガリクスが人に与える多くのメリットが確認されると、健康食品・サプリメントとして広く知れ渡ることになりました。
アガリクス製品は産地、栽培方法、菌株などによって、品質に大きな差があることが分かっています。
国立健康・栄養研究所のデータベース「健康食品」の安全性・有効性情報 https://hfnet.nibiohn.go.jp/ には、アガリクスは「菌株、栽培条件、産地により、その特性や含有成分が異なる」と明記さています。また厚生労働省は「原材料や製品でかなり品質に差異がある」と発表しています。
現在、国内で流通するアガリクス製品は、日本、ブラジル、中国、韓国産などが主なものですが、そのほとんどがハウス栽培で生育したものを原料としています。
天然に最も近いのは露地栽培ですが、自然環境の中で行われる露地栽培は難しく、希少性は非常に高くなっています。
キノコの一種であるアガリクスは、真菌類に分類されます。乳酸菌やビフィズス菌などと同様に菌株によって性質や特徴が異なります。
アガリクスの代表的な菌株は、岩出101株、ITO-S株、キング・アガリクス21=KA21株などがあります。
中でもキング・アガリクス21=KA21株は、アガリクスの菌株の中で最も研究実績がある菌株です。
東京薬科大学免疫学教室、東京大学食の安全研究センター、慶應義塾大学医学部、順天堂大学医学部、麻布大学医学部などの先端学術機関と20年以上もの間研究開発に注力を注ぎ、これまでに発表した国際論文数は28本と、アガリクスの専門メーカーでは群を抜いています。
キング・アガリクス21=KA21株は、日光の下でも生育する強い菌株を何世代にも渡って選別しているため、栽培が最も困難とされる露地栽培にも耐えられる菌株なのです。
アガリクスの代表的な産地は、日本、ブラジル、中国です。ブラジルは手付かずの大自然が残り、さんさんと降り注ぐ太陽や澄んだ空気と水という環境の下にあるため、大地の恵みをたっぷりと吸収し生育します。そのためミネラルや栄養素が豊富な立派なアガリクスが育ちます。
安価な製品を流通する中国は、近年の急速な経済発展によって、PM2.5などの大気汚染をはじめ水質汚染、土壌汚染など環境汚染が問題視されています。そのような劣悪な環境の中で栽培された中国のアガリクス製品で、肝機能障害が起こった事例が報告されています。
また、中国から乾燥キノコを輸出する際にはカビの繁殖を抑えるために、大量のホルマリンを用いるケースがあることが分かっています。
日本は食の安全基準が高く、世界の評価も高いですが、ブラジルに比べればアガリクスを生育するための自然環境が整っているとはいえません。
アガリクスの一般的な栽培方法は、ハウス栽培とタンク栽培、露地栽培があります。
国内で流通するアガリクス製品は、ハウス栽培によるアガリクスを原料としたものが大多数です。ハウス栽培は光を一切遮断したジメジメとした小屋で行われます。
(日光を遮った人工的な環境が行われるハウス栽培)
天候に左右されないため比較的栽培はしやすく、収穫量は一定で、そのため安価で流通することが可能です。
タンク栽培は、キノコの根の部分(菌糸体)を人工的にタンクで培養します。
(キノコの根っこの部分=菌糸体)
コストが掛からず、早く培養ができることで一時期は日本でも多く採用された栽培方法です。しかし現在ではほとんど行われていません。
露地栽培は、天然のアガリクスに近い状態で栽培されたものを収穫できます。原産地ブラジルでこの露地栽培を行うのは弊社のブラジル農場以外にはほとんどありません。一般的なキノコ同様に、アガリクスも土壌の環境が生育に大きく影響します。
ブラジルの豊かな自然の下、露地栽培によるアガリクスは、大きく太く立派に生育し、高い栄養成分も含有しています。
(左:ハウス栽培アガリクス 右:露地栽培アガリクス)
(アガリクスの主成分=β-グルカンはハウス栽培の1.5倍)
弊社のブラジル農場では、一般のハウス栽培に比べて約10倍のコストを掛け、非常に難しいとされている無農薬栽培の露地栽培を行っています。
また、日々の天候に左右されるなど一定の収穫量を得るのはとても難しく、ハウス栽培のように大量に流通できるものではないため、希少価値のあるアガリクスという点で高く評価されています。
栽培が比較的簡単なハウス栽培が主流となり、さまざまなメーカーや企業がアガリクス製品を製造、販売しています。そのほとんどがアガリクス以外にもさまざまな健康食品を扱っているメーカーで、各メーカーとも、原材料や栽培方法、菌株が違うため品質には差異があります。
その中でも専門メーカーである弊社の強みは、安全性や有用性に関する研究開発実績が1位ということです。これまでの海外論文発表は28本と、他社と比較しても群を抜いており、アガリクス専門メーカーでは最多となっています。研究件数は、信頼できるメーカーであるかどうかの指標にもなります。
アガリクスは産地、栽培方法、菌株などで品質や特徴が異なります。高品質なアガリクスを選ぶためには、ブラジル産、露地栽培、多くの開発研究による信頼できるデータを持つ専門メーカーのアガリクス製品かを確認することが大切です。
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー
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※アガリクスKA21製品に関するお問い合わせは、各販売会社へお問合せ下さい。
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