執筆者:元井章智
アガリクスは、ビタミンやミネラルなど豊富な栄養素を含みます。中でも主成分のβ-グルカンは健康維持に大きな働きをするとされており、近年注目のサプリメントです。
しかし2010年、「アガリクスは飲んでも効かない製品がある」という内容の論文が発表されました。アガリクスは製品ごとに成分の含有量が違い、効果や特徴も大きく異なります。この論文の内容を詳しく説明しながら、アガリクス製品を選ぶ際のポイントを解説していきます。
2010年、京都大学から「アガリクスをエキスにした製品を前立腺ガン患者さんが摂取した結果、抗がん作用はなかった」という論文が発表されました。
論文のタイトルは「放射線療法後も腫瘍マーカーの上昇がみられる前立腺がん患者に対する薬用キノコのオープンラベル試験」というものです。試験の目的は「日本の前立腺がん患者に対する2種類の薬用キノコの効果と安全性を検証するため」に行われました。
*オープンラベル試験とは、被験者(患者さん)も試験責任者(ドクター)も、使う薬剤が偽物ではなく本物ということを知っている状態で行う試験のことです。
試験方法は、放射線療法を行っても腫瘍マーカーの上昇が続いている前立腺がん患者(転移なし)を対照に、6ヶ月間アガリクスの抽出エキス製品と霊芝を原料とする製品を摂取し、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値を効果の指標として観察しました。
試験は、全部で51人の放射線療法を行ったがん患者が登録され、47名が試験を終了し、そのうち32名がアガリクスの抽出エキス製品、15名が霊芝の製品を摂取しました。
その結果、PSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)の変化は確認されませんでした。また重篤な副作用の報告もありませんでした。この試験結果から「アガリクスの抽出エキス製品と霊芝製品に有意な抗がん作用は確認されなかった」という結論になりました。
京都大学の試験で使われたのは、アガリクスの抽出エキス製品です。
アガリクスを製品に加工する際には、乾燥させたアガリクスをそのまま製品化する方法と、乾燥または生のアガリクスから有用成分をエキスとして抽出する方法があります。
エキス抽出は製造工程を簡単にするために用いられていますが、アガリクスの主要成であるβ-グルカンは、キノコの細胞壁に多く含まれているため、エキスとして抽出するのはかなり困難です。熱水で抽出した実験では約1/3しか抽出できなかったという結果も出ています。
そのためこの試験で使われたアガリクスの抽出エキス製品には、β-グルカンがあまり含まれていなかったという可能性もあります。
さらには、厚生労働省が「アガリクスは原材料や製品でかなり品質に違いがある」と説明しているように、アガリクス製品は皆同一ではなく、栽培方法や産地、製造方法などによって、栄養素の含有量などに大きな差があります。
この試験で使われたアガリクスは、数あるアガリクス製品の中の一つに過ぎず、この論文結果がアガリクス製品すべてに当てはまるものではないと考えられます。
市場に出回るアガリクス製品は、各メーカーによって産地も栽培方法も製造方法も異なります。もちろんアガリクスの含有量にも差が出てくるのは当然のことです。
アガリクスは元々、ブラジルに自生していた幻のキノコといわれており、現地の人々でさえ滅多に口にできない貴重品でした。現在、最も天然に近いとされているのは、ブラジルで露地栽培されたアガリクスといわれおり、希少性が高く一般市場にはほとんど出回りません。
(ブラジル産露地栽培アガリクス)
日本国内で流通しているアガリクス製品は、日本や中国、韓国などでハウス栽培されたアガリクスを用いたものが大多数を占めています。真っ暗でジメジメとした小屋で栽培したハウスものと、ブラジルの大自然の中で燦々と降り注ぐ太陽と美しい空気を存分に浴びて育った露地栽培のアガリクスでは、見た目も栄養素の含有量もケタ違いの差があります。
(暗所で人工的に栽培されたハウス栽培アガリクス)
(左:ハウスアガリクス 右:露地栽培アガリクス)
弊社のアガリクス製品「キングアガリクス」は、ブラジルで露地栽培された完全無農薬のアガリクスを用いています。毎朝収穫したアガリクスを長時間かけて低温乾燥させて栄養を凝縮させていますので、さらに栄養素が豊富です。
弊社の「キングアガリクス」と、日本産ハウス栽培アガリクスの栄養素を比較したデータがあります。アガリクスの主成分βグルカンは約1.5倍、ビタミンDが約34倍、カルシウムが約26倍、銅は約10倍もの差がでました。
毎日摂取する健康食品ですので、家族みんなが安心して口に入れられる安全性も選ぶ際の重要なポイントとなります。弊社では、広大なブラジルの地で、常に新しく土地を開墾して栽培を行っています。そのため土壌汚染の心配はありません。
ブラジルで収穫したアガリクスを国内の製薬会社、サプリメント工場で製造を行っており、残留農薬検査、重金属検査による安全対策も万全です。
(残留農薬試験結果 400項目すべての項目で残留農薬は検出されませんでした)
アガリクスは菌株や産地、栽培方法、製品タイプによって、製品の特徴や品質に大きな違いがあります。そのため、各メーカーや研究施設で菌株や製品ごとに研究開発を行っています。
弊社の製品に用いられている菌株「キング・アガリクス21株(=KA21株)」は、海外論文発表実績が28本とアガリクスの菌株の中では最も多くの研究が行われています。東京大学、慶應義塾大学、東京薬科大学、順天堂大学、近畿大学などでの研究実績があります。
アガリクス製品を選ぶ際には、産地や栽培方法、安全性などをきちんと確認した上で購入することをお勧めします。また、多くの研究論文実績があることは製品の安全性、有用性にも関わってきます。製品の研究がしっかり行われているメーカーの製品を選ぶことが大切です。
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー
東栄新薬では、取扱商品ごとにお問い合わせ窓⼝を設けております。各窓⼝までお問い合わせください。
※アガリクスKA21製品に関するお問い合わせは、各販売会社へお問合せ下さい。
資料請求・無料サンプルのお申込み
株式会社ケーエーナチュラルフーズ