品質のよいアガリクスの適正な値段とは?
執筆者:元井章智
慶應義塾大学SFC研究所所員
東京薬科大学免疫学教室
店頭やネット通販では、アガリクス製品が多く取り扱われています。その値段を見ると1,000円前後で購入できるものから、中には100,000円を超える高額な製品までさまざまなものがあります。値段の幅があまりにも広いので、製品選びに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
信頼できるアガリクスが入った製品の値段がどのくらいなのか、アガリクスと値段についてみていきましょう。
1.そもそもアガリクスとは何か
アガリクスは、中南米ブラジルのサンパウロ郊外、ピエダーテ地方に自生していたキノコです。マツタケやシイタケが同じ担子菌類の仲間だというと、なんとなくイメージが沸きやすいでしょうか。アガリクスは自生エリアが極めて限られていたため、「神のキノコ」「幻のキノコ」とさえ呼ばれる希少価値の高いものでした。
(アガリクスが自生していたブラジル サンパウロ郊外のピエダーテ)
近年は天然のアガリクスはほとんど採れませんが、天然に最も近いとされるブラジル産露地栽培の他に、安価なハウス栽培といった栽培方法の普及により、ブラジル以外の日本産や中国産といったものも出回るようになり、流通量が大幅に増加しています。
多様な産地、栽培方法により生まれたアガリクスが混在していますが、消費者が購入するアガリクス製品の値段はどのような点で違ってくるのでしょうか。
1.産地、栽培方法の違いが値段に影響
アガリクスの値段は、産地や栽培方法の違いがその値段に大きな影響を与えています。
一番手頃な値段設定なのは、中国産・ハウス栽培の製品です。ハウス栽培といっても、野菜を栽培しているビニールハウスとは様子が違います。自然光を遮断した暗室で一年中栽培されているもので、大量かつ安定的に供給ができるため安価を実現しています。
(ハウス栽培は日光を遮った人工的な環境の中で栽培するので安価で大量生産が可能)
(ハウス栽培された小ぶりなアガリクス)
安価な中国産アガリクス
店頭に並ぶ製品の中で、1カ月分で5,000円~20,000円前後で売られているものは、この中国産のハウス栽培と考えていいでしょう。アガリクスの製品の中にはさらに安価な1,000~5,000円といった価格で販売されているものも見かけます。こちらは、中国産のハウス栽培というだけでなく、アガリクスの成分があまり入っていない製品が多いのが実情です。
ここで注意したいのが、「アガリクスは地中の栄養素をたっぷりと吸収して育つため、産地の土壌の影響を大きく受ける」 といった特長です。具体的には土地の肥えた場所で栽培すると栄養価が豊富なアガリクスに育つ一方、栽培された土地がやせていると、栄養価の低いアガリクスとなります。また、大気汚染や工場排水などで土壌が汚染された土地で栽培すると、有害物質を多く含むアガリクスとなってしまします。
中国産は価格が5,000円~20,000円前後と安いため手に取りやすいです。しかし、PM2.5による大気汚染や土壌汚染が深刻化し、実際に過去に粗悪な中国産アガリクスで健康被害の報告がされたこともあります。そのため、安全性の面で中国産はおすすめできません。
(大気汚染が深刻な中国)
安全性が高い日本産アガリクスの値段
日本でもアガリクスは栽培されています。日本は食品の安全基準が極めて高い国として世界的にも有名です。よって、アガリクスの安全性そのものは高いといえます。
日本の場合は、中国と同じハウス栽培でも人件費が高く、中国産のアガリクスより価格が割高になってしまうという問題を抱えています。
中国産ハウス栽培のアガリクスが1カ月分で5,000円~20,000円前後で売られているのに対し、日本産のハウス栽培は20,000円~50,000円といった価格の製品が多いようです。中には50,000円~100,000円といった高額な製品も見られますが、このような価格は明らかに高すぎるので、購入は慎重になるべきでしょう。
ただし、日本産アガリクスで注意しなければいけないのが、栄養価です。日本の農作物は狭い国土で繰り返し栽培しているため、農産品に含まれる栄養価は昔と比べると非常に低くなっています。
上のグラフは、文部科学省が公表している代表的な日本産農作物の栄養価の推移です。ご覧のように大根に含まれるカルシウムやビタミンCは、昔に比べると87%も下がっています。
アガリクスも同様に、土地のやせた日本で栽培されたものは、栄養価の低いアガリクスとなってしまいます。
2.天然に最も近い露地栽培アガリクス
現在、天然のアガリクスはほとんど手に入らず、天然に最も近いとされるのが【露地栽培アガリクス】です。栄養価が非常に高いことから多くのアガリクスメーカーが露地栽培に挑戦しました。しかし、苛酷な自然環境下で行う露地栽培は非常に難しく、ほとんどのメーカーが失敗に終わりハウス栽培に移行しました。
そのような中、私たちは、諦めずに露地栽培に挑戦し続け、試行錯誤の末に1.原産地ブラジル特有の肥えた土壌と気候、2.栄養価の高い特殊な堆肥、3.生命力の強い特別な菌株キング・アガリクス21=KA21株の3つの要素をそろえることで露地栽培に成功しました。
1)原産地ブラジル特有の肥えた土壌と気候
(手つかずの大自然が残るブラジル)
(ブラジル特有の赤土 鉄分などのミネラルが豊富)
農場周辺には工場などは一切なく、酸性雨などの影響も全くない手つかずの大自然が残っています。
【動画】ドローンで撮影したブラジルの農場周辺の様子↓
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2)栄養価の高い特殊な堆肥
(栄養価の高い特殊な堆肥を1か月近くかけて作成)
3)生命力の強い特別な菌株キング・アガリクス21=KA21株
(生命力が強いキング・アガリクス21=KA21株)
露地栽培されたアガリクスは、その見た目や、栄養成分が大きく異なることから、現地では【キングアガリクス】と呼ばれています。
(露地栽培されたキングアガリクス)
【動画】キングアガリクスがどのように露地栽培されているかなど、詳しくはこちらの動画をご覧ください↓
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露地栽培とハウス栽培アガリクスとの違い
露地栽培で育てられたアガリクスは、アガリクス本来の大きさにまで育ちます。一般的なハウス栽培アガリクスと比べるとその差は歴然です。
(左:露地栽培キングアガリクス 右:ハウス栽培)
栄養成分を比較するとアガリクスの主成分であるβ-グルカンは、ハウス栽培の約1.5倍。また、日光を浴びて育ちますので、世界的に注目を浴びる栄養素ビタミンDを豊富に含みます。
【動画】露地栽培したキングアガリクスと一般系なハウス栽培との比較は、こちらの動画をご覧ください↓
VIDEO
また、土地の肥えたブラジルで露地栽培されたキングアガリクスは、地中の栄養素をたっぷりと吸収して育ちます。さらに私たちは、栄養成分を豊富に含むアガリクスをお届けするために、常に新しい農地を開墾して露地栽培を行い、一度栽培した農地は2度は使用しません。
(キングアガリクスの露地栽培は常に新しい農地を開墾して行われます)
土地の肥えたブラジルで1度きりの収穫をするキングアガリクスと、土地のやせた日本産のアガリクスと比較すると、カルシウムは26倍、銅は10倍、セレンや鉄分を豊富に含みます。
3.ブラジル産露地栽培アガリクスの値段
栽培が非常に難しく、天候の影響も受け収穫が安定しないため、露地栽培のコストはハウス栽培の10倍以上かかります。しかし、より多くの方のご健康にお役立て頂くために、日本産のハウス栽培と同じくらいになるよう、コスト削減に徹し企業努力をしています。製品価格は、39,000円から48,000円の間で設定しており、毎日愛用しても負担にならない価格帯を維持しています。
アガリクス製品の価格のまとめ
アガリクス製品の価格は産地や栽培方法で大きく異なってきます。
価格が安いということは、安全性が懸念されるなどそれなりに理由があるということ。特にアガリクスが初めてという方の場合、まずは安価なものを試しがちです。しかし、それではアガリクスの有用性を充分享受できないことになってしまいます。
また、高過ぎる製品も考えものです。アガリクスは、コンスタントに摂取するのがベストですが、高すぎると継続が難しくなって、その効果を得られないまま途中で断念してしまうかたもいるようです。
せっかく購入するなら、適正価格で、健康管理に有用な製品を購入したいものです。誠実に栽培された品質の高いアガリクスを使った製品を購入するためには、購入時にパッケージの原材料名やメーカー名を確認するとよいでしょう。
執筆者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー、
国際中医専門員
PS.
私たちのキングアガリクスに人工添加物を一切加えず、キングアガリクス100%で製品化した製品が【キングアガリクス100】です。
現在、人間用、ペット用の2製品があり、それぞれ以下のサイトでご購入頂けます。
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本サイト掲載情報の元となったアガリクス・キングアガリクスに関する研究施設
●東栄新薬株式会社
アガリクスの専門メーカーとして、ブラジルで露地栽培したキングアガリクスの研究開発を行っています。キングアガリクスの研究開発を20年以上行っており、アガリクスメーカー最多となる28本の国際論文を発表しています。
日本獣医皮膚科学会賛助会員、比較統合医療学会賛助会員、日本獣医がん学会賛助会員、公益財団法人 日本動物愛護協会会員
主な学会発表実績:日本薬学会(1996~2018)、国際薬用キノコ学会(2003、2013、2015、2017)、欧州免疫学会(2015)、国際免疫学会(2016)、日本生体防御学会(2017)、日本獣医学会(2017)、国際微生物学連合(2017)、日本動物臨床医学会(2018)、日本獣医がん学会(2019)
●東京薬科大学免疫学教室
キノコ研究では世界的に権威ある研究室
アガリクス・キングアガリクスに関する研究を20年以上行い、これまでに24本の国際論文を発表
安全性試験の他、アガリクスの主成分であるβ-グルカンに対する研究を実施
本サイト掲載情報執筆の際に引用した主な論文
N.Ohno et al.,Biol Pharm Bull,24,820-828(2001)
●東京大学食の安全研究センター
キングアガリクスが自律神経にどのような影響を与えるかを研究
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Tubone H, at el. Journal of Medicinal Food 17 (3) 295-301 (2014)
●慶應義塾大学SFC研究所
キングアガリクスが生体にどのような影響を与えるかを研究
●順天堂大学医学部
キングアガリクスの安全性などに対するヒト臨床試験を実施
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Y.Liu et al.,Evid Based Complement Alternat Med,5,205-219(2008)
●近畿大学医学部
キングアガリクスが代謝・内分泌にどのような影響を与えるかを研究
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Atusoko, N. et al. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition(Advance Publication 2011)
●麻布大学獣医学部
キングアガリクスがウィルスにどのような影響を与えるかを研究
本サイト掲載情報執筆の際に引用した論文
Nao, E. et al. Biocontrol Science, 2017, Vol.22, No.3, 171-174
●国立長寿医療研究センター
キングアガリクスの寿命に与える影響を研究
「国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 」
「がんの補完代替医療ガイドブック 」
編集:厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班
監修:日本補完代替医療学会
本サイトに引用した主な論文
ホームページ内のアガリクスに関する情報は、自社発表論文(番号を赤字で記載)を含め以下の公開論文の内容を元に執筆しています。
1) S.P.Wasser et al.,Int J Med Mushrooms,4,267-290(2002)
2) RW.Kerrigan et al.,Mycologia,97,12-24(2005)
3) K.Wisitrassameewong et al.,Saudi J Biol Sci,19,131-146(2012)
4) Y.Liu et al.,Evid Based Complement Alternat Med,5,205-219(2008)
5) N.Ohno et al.,Pharm Pharmacol Lett,11,87-90(2001)
6) S.Hashimoto et al.,Int J Med Mushrooms,8,329-341(2006)
7) N.Ohno et al.,Biol Pharm Bull,24,820-828(2001)
8) D.Yamanaka et al.,BMC Complement Altern Med,14,454(2014)
9) D.Yamanaka et al.,Immunopharmacol Immunotoxicol,34,561-570(2012)
10) D.Yamanaka et al.,Int Immunopharmacol,14,311-319(2012)
11) N.Ohno et al.,Carbohydr Res,316,161-172(1999)
12) M. Motoi et al.,Int J Med Mushrooms,17,799-817(2015)
13) I. Hyodo et al., J Clin Oncol 2005; 23: 2645-54.
14) 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
15)Y.Adachi et al., Chem. Pharm. Bull 38(2)477-481(1990)
16) K. Yoshimura et al., Int J Urol. 2010 Jun;17(6):548-54
17) 山中大輔, 元井章智他: βグルカンの基礎研究と応用・利用の動向,10,216-226,シーエムシー出版,東京(2018)
18)G.Alena at el., Intergr Med (Encinitas)2014 Feb; 13(1): 32–44.